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千刻はイギリス国民投票時に動かすべきか、止めるべきか

こんばんは。啓典です。
つい先ほど、イギリス国民投票時に
動かし続けるEAと止めるべきEAについて言及しました。

当たり前すぎる事しか書いていませんが、
EAを運用する上で特性や適合相場・苦手相場を把握することは、
最も基本であり、最も大事なことの1つです。

さて、あまり一般論ばかり述べても仕方ありません。
私が開発したEAであり、自身で運用している千刻について記載します。
 
 

イギリス国民投票相場の想定をする

最初に実施しないといけないことはこれです。
自身が運用している通貨ペアが、本イベント受けてどう動くか想定します。
今回は、残留・離脱どちらになるか分からないけれども、
一方向に伸びる相場というのを想定することにします。
 
 

グリッドトレードの特性は?

次にグリッドトレードの特性をもう一度振り返りましょう。
一方向に伸びる相場に対してグリッドトレードを仕掛ける場合です。

順行した場合、一定Pipsで利益を積み上げます。
この時、同じ価格帯でリピートするという事はほとんどありません。
値幅と利幅が同一だとすると、順行Pips×ロット程度の利益しか得られないです。

一方、損切せず等間隔にポジションを取り続けて相場に逆行した場合は、
含み損は逆行したPipsの指数関数で増大していきます。
何度も引用で出しますが、以下の記事を参照ください。
グリッドトレードの含み損の増え方

暴騰するか暴落するかの予想が外れた場合は指数関数で含み損が増大してしまいます。
予想があたった場合は微益という、随分と分の悪い勝負になるわけです。
 
 

グリッドトレードによくあるヘッジ戦略、両建は有効か?

では、どちらに転ぶか分からないからといって、
両建戦略を取った場合はどうでしょう。
どっちに動いたとしても必ず利益を得ることは出来ますが、
一方でどっちに動いたとしても含み損を抱えることになります。

利益の積み重ね回数は増えたとしても利幅×決済数という比例関数に対し、
含み損は指数関数となり、利益>含み損になることはありません。

従い、「どちらに転ぶか分からないから両建戦略を取る」
というのは負けに行くだけになるので通常はオススメできません。
 
 

グリッドトレードは止めるべきである

・予想が当たっても利小
・予想が外れたら損大
・リスクヘッジの両建も普通に実施したら損失
となると、グリッドトレードは止めてしまうというのが最良の選択になります。

通常はポジションを抱えた状態となっているかと思いますので、
リスクを取れないのであれば、一旦すべて損切する事も合わせて検討すべきでしょう。
 
 

千刻は止めるべきか

では、グリッドトレードEAである千刻の場合はどうか?
基本はグリッドトレードなので止めるべき・・・となります。

しかしながら、リスクに見合う利益が期待できるなら動かし続けるという選択肢が残ります。
以下は、リスク許容できる方を前提に記載します。
 
 

ポジションを抱えたままイベント突入するなら

ポジションを持ったまま当イベントに入るなら折角なので暴騰・暴落した際に利益の最大化を狙いましょう。

もともと成行型のロジックであるため、
有利な方向にレートが飛んだら大きく飛んだ分だけ利益が増えるのですが、
その後も一方向に延びるのであればトレール決済モードを使います。

トレールさせることで利益拡充が望めますが、
設定によってはちょっとした調整で決済されて利益を伸ばせない可能性もあります。
そこでトレールしないように特殊設定を施し、逆指値決済となるようにします。

具体的な設定方法です。
例えば、ポンド円のロング側に利益を求める設定で記載します。
xBuyCloseTrailMode = true
xBuyCloseTrailStartPips = 適正値を設定
xBuyCloseTrailStepPips = 0

上記設定を行うことで逆指値決済となり自ポジションに有利な方向に動いた場合、
利益確定のための逆指値が入った状態で放っておかれます。
結果的に上昇一方向になった場合、大量の含み益になります。
このあたりは旧ブログの記事を参照ください。
逆指値決済による利益拡充の記事

あとは、さらなるリスクを取らないようにするだとか、
新規ポジションが天井を取らないようにするだとかのために、
価格帯を制限したり、今の保有ポジションだけ利益確定させるようにするのもいいかもしれません。
例えば新規ポジションを取らず、既存ポジションだけ決済させる設定は以下です。
xBuyOpen = false
xBuyClose = true

尚、含み益が大量に残る形になりますが、決済タイミングはご自身で図る必要があります。
 
 

両建で臨むなら

通常一方向に伸びる相場に対して両建で臨むと負けます。
しかしながら勝てるケースがあります。

損切早く、利食遅く・・・の設定にするのです。
先にも書きましたが暴騰・暴落のように一方向に伸びる場合はリピートしません。
よって、損切をすぐに行うようにしても同じ価格帯で損切を繰り返す可能性がかなり低くなります。
それに対し、利益側ポジションはホールドし続けると含み益は指数関数で増えていきます。

その昔、トラリピ手法の考察が流行っていたときに多くの方が辿りつき、
トラリピとは確定損と含み益がトラリピの逆になることから、
逆トラリピ手法なんて表現をしている方もいらっしゃいました。
それを実践するのです。

千刻はその手法の概念を再現することもできまます。
このとき有効に働くオプション機能として、逆指値注文モードがあります。
これを使うことによって利が伸びる順張りナンピンをしていくようにできます。

逆トラリピ両建手法設定は以下です。
xBuyOpen = true
xBuyClose = true
xBuyProfitPips = 9999
xBuyStoplossPips = 50 (←適当です)
xBuyOpenStopMode = true
xBuyOpenStopPips = 50 (←適当です)
xSellOpen = true
xSellClose = true
xSellProfitPips = 9999
xSellStoplossPips = 50 (←適当です)
xSellOpenStopMode = true
xSellOpenStopPips = 50 (←適当です)

こうすると、買い側では下げ続けた場合に新規ポジションを取りません。
仮に反発してポジションを取ったとしても50Pipsの下落ですぐに損切していきます。
逆に上げ続けた場合は順張りナンピンしていきながら、利確されず含み益が爆発します。

売りも同様です。上げ続けた場合は、新規ポジションを取りません。
仮に反発して下げてポジションを取ったとしても50Pipsの上昇で損切です。
下げ続けた場合、順張りナンピンしていきながら、含み益を指数関数で成長させ続けます。

この設定ならどちらに伸びたときにでも含み益を得ることができます。
こちらも決済タイミングは裁量が求められます。
 
 

逆トラリピ手法は万能ではない

先の逆トラリピ手法の両建は暴騰・暴落のどちらに転んでも利益が出ますが、万能な設定ではありません。
行って来いの場合は損失のみばかりを積み上げることになります。

また大きな問題としてレートが飛び過ぎる場合に機能しないという点があります。

事実、かつてのユロスイで私はそれを実経験しました。
ユロスイはいずれ防衛ラインを突破されると睨んで
ショートのみでこの手法と同等の設定を仕込んでいました。

サプライズで無限介入をやめると発表されると歴史に残る暴落が始まり、
既存ポジションの利益拡充には成功したものの、
全く順張りナンピンが入りませんでした。

このようにどっちに動いても利益が出る・・・という万能に見える手法も、
一方向に伸びることが前提ですし、
約定されないような激しい相場では機能しないということもあります。

イギリス国民投票の当日もどのような動きになるか予想がし辛く、判断が難しいです。

まとめ

リスクを許容できない方は千刻を止めるだけでなく、
ポジションを軽くするなどの対応を行うことを推奨します。
千刻を動かし続けてもいいのはリスクを許容できる方のみです。

千刻はポジションを抱えたまま設定を切り替えられれます。
柔軟性をこういう時にこそ活かしていただき、
リスクを許容するならそれ相応の利益が期待できる設定に変えることをオススメします。

動きをみてから設定を変えるのでもいいのですが、
その時には一番おいしいポジションは決済されている可能性が高いため、
出来れば大きく動く前に設定を変えておきましょう。

※上記はあくまでも一例ですので、資金量と投資スタイルやリスク選好具合によって、
 からなずご自身で判断するようにしてください。

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