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自宅PCでMT4を稼働させる際に考慮すべき7つのポイント

自動売買を行う手段の1つにMetaTrader(以後 MT4と表記)で自動売買システムを動かす方法があります。
通常、自動売買を行う場合は昼夜問わず24時間・・・ということが多いと思いますが、ここで問題が発生します。
MT4で自動売買システムを動かすためにはパソコンを稼働させておかなければならないからです。

自宅PCを24時間稼働させるというのはリスクが伴うとして、
MT4+EAを24時間常時稼働させるための環境を各社がサービス提供してくれています(VPSサービス)。

しかしながら、安定的かつ継続的利益を出すことが出来ていなかった私にとって
目に見える形でコスト(VPSサービス利用料)を負担し続けるのはキツかったという背景があり、
とりあえず自宅PCでの運用を開始しました。それ以来、今に至っても自宅PCで運用を継続しています。

今回は『自宅PCでMT4+EA(自動売買システム)を稼働させる際に考慮すべき7つのポイント』という観点で記載します。

自宅PCでMT4を稼働させる際に考慮する点

自宅PCでMT4+EAを安定稼働させるためには、基本的に不測の事態に対応できるかどうかということです。
それ以外にもコストという重要なファクタもあります。
まずは考慮すべき主なポイントを以下を挙げました。

  1. 電源供給が断たれても稼働させ続けられるか
  2. ネットワーク障害に対応できるか
  3. 信頼性・セキュリティに関して不安はないか
  4. 何か発生したときにPCを復旧できるか
  5. 突発事項が発生した際に外出先からEAを操作できるか
  6. CPU・メモリなどリソース不足になった場合拡張できるか
  7. 自宅PCは本当に低コストか

これら各ポイントに対して見ていきたいと思います。

電源安定性

安定稼働するためにはまずは電源です。
日本の電源事情は非常に優れています。瞬断も含め停電は殆ど発生しません。
ですが、仮に停電・瞬断でPCの電源が落ちたら通常は自動で立ち上がらないため
無停電電源装置のようなもので備えた方がいいです。
無停電電源装置と表現すると大そうな響きになりますが、
電源供給が切れても動き続ければいいだけなのでバッテリー内臓のPCで稼働させるだけです。
端的にはノートPCを用意すれば解決する項目です。

ネットワーク安定性

次にネットワークの安定性です。取引を行うためにはインターネットにつながっていないといけません。
電源よりもネットワーク断線の方が発生しやすいですが、こちらも日本の回線品質が高い事が幸いしています。
なかなか回線業者の品質が高く、ネットワークがつながらないといった類の問題発生頻度は少ないです。
それでもそれに備えるためには、ネットワークの冗長構成を取る必要があります。
恐らくVPSサービスを提供している各企業様は対応していると思いますが、
個人でこれと同じようなこと(WiMAXなどでネットワークの二重化等)を行うとVPSサービスの方が安くなります。
この項目は自宅PCの場合は潔く諦めるしかなさそうです。

尚、私はネットワーク断線が原因と見られそうな不都合はこれまで一度も発生していません。
(厳密には発生していたとしても気付いていません)
ネットワーク障害の発生 もしくはその影響は低いと評価し割り切っています。
私は無線LANで接続していますが、心配な方は有線がいいかもしれません。

信頼性・セキュリティ

動かしている端末の信頼性・セキュリティです。
PCがサーバーの信頼性に勝てる訳はありませんが、最近はPCでも非常に安定するのは事実です。
セキュリティもセキュリティソフトを入れるという基本的な事を実施すれば十分でしょう。
Windowsアップデートは相場が止まっている週末にでも行えばいいです(再起動を伴うものもありますので)。
尚、PCの安定稼働のためにはMT4専用端末としておくことが望ましく、余計なソフトは入れないというのが望ましいです。

システムバックアップ

何かあった時に復旧できるか・・・という項目です。
MT4でバックアップすべきファイルは限られ、またそのバックアップ方法もファイルコピーで問題ないので簡単です。
具体的にはインストールしたMT4フォルダもしくはその配下のMQLフォルダのコピーでほとんど事足ります。
フリーのバックアップツールを使って当該フォルダを定期バックアップする方法もありますので自宅PCでも問題になる項目ではありません。
私はEAとインジケータを改修したときに手動でバックアップしています。

本格的に自然災害までを考慮に含めた対策(BCP対策)をするのであればバックアップファイルはPCと同じところにおいてはダメです。
インターネット上にファイルを保管しておくサービスも多々あるので利用するといいです。
私はBCPまで考慮に入れていないです。仮に自宅PCが災害にあうようなことになったらFXどころではないはずですので。

外出先でのMT4操作(EA緊急停止、設定変更)

安定稼働とは少し違いますがMT4で自動売買システムを行うには「あるに越したことはない」です。
VPSサービスのメリットとしてこの項目を特に挙げることが多いです。
しかしながら、昔は難しかった自宅PCのリモートコントロールも今ではコストを掛けず実現できます。
PCをリモートコントロールするソフトを導入すればいいのです。

ソフトはTeamViewerというものが最も有名で、個人利用であれば無料でも使えます。
ソフトのインストールから使用するまでに要した時間は初めてでも15分程度。
慣れれば5分と掛からずに呆気ないくらい簡単に使えるようになります。
これにより、外出先PCはもちろんスマートフォンから自宅PCを遠隔操作できるようになります。

外出中に急遽EAを停止したい、設定を変えたい、、、なんて事は自宅PCであっても実現できます。
VPSサービスの大きな魅力だった「外出先からのMT4操作」はもはやVPSだけの利点ではないのです。
(MT4を操作せずともEAを操作する手段はありますが、作りこみが必要になります。)

CPU・メモリなどのリソース拡張

VPSサービスでは利用したいリソースによってプラン(値段)設定されていて、
不足があればリソースが潤沢なプランに乗り換えればいいですが、自宅PCの場合はそんなに柔軟性はありません。

自宅PCはメモリとストレージ(HDD)の拡張は比較的容易ですが、CPUは通常拡張できないです。
解決法としては最初からそれなりのスペックのPCを準備するというものがあります。
私はノートPCをMT4専用端末にしていますが、3万くらいで購入した市販最下位モデルを使っています。
ちなみに私のノートPCのスペックは以下です。
CPU:1.33GHz/4コア
メモリー:2GB(DDR3L)
ストレージ:32GB

このPCではストラテジーテストを行わせるには荷が重いですが、通常稼働させるには全く問題ないです。
もちろん、稼働させるEAの特性や稼働させる数に依存します。
私の場合ですが、同PCにMT4を4つ起動し、EAは合計6つとカスタムインディケータは合計12くらい動かしています。
それでもCPUとメモリをモニタすると使用率が高負荷になることはありません。
ちなみにこの市販最低レベルのスペックをVPSサービスに求めようとすると最安プランでは届かないケースもあります。

自宅PCは本当に低コストか

最後にコスト比較をします。
自宅PCはVPSサービスのように月額で目に見える形でコスト発生していませんが、
実際にはノートPCが必要だったり、PCを常時動かすための電気代もかかります。
安くすませるために自宅PCするのであれば、きちんと評価・試算しないといけないところです。
ということで少しざっくりですがコスト比較してみます。

ノートPCは3年で償却し(3年サイクルで買い替えるとし)、購入価格は3万円程度としたら月額換算830円くらいです。
消費電力から月額電気代を簡易的に算出すると月あたり300~400円程度かかります。
コストは合計で1,200円程度でしょうか。

対してVPSサービスで安いとされる「つかえるねっと」は長期契約(2年)で最安月額1791円です。
スペックは私の市販最下位スペックPCより少し劣るようです。
CPU:フェアシェア
メモリ:1G
ストレージ:30GB

ここでの価格差は自宅PC 1,200円 に対して VPSが1,791円なので600円近くです。
600円程度ならVPSサービスにしてしまってもいいかもしれません。
と、ここで終わらせるなら他のサイトでもやっています。
もう少し踏み込んでみます。経費も含めて評価します。

■まず自宅PCからです。
購入しているノートPCもFX専用機なら全額経費計上できますし電気代も経費計上します。
節税効果は約240円(1,200円の20%)です。
また、多くのご家庭ではインターネットを契約しているかと思います。
これは自宅PCでMT4を動かそうがVPSを利用しようが月額負担しているケースが多いかと思います。
自宅PCで運用する場合、通信料(インターネット料金)の多くを経費算入することが可能なのです。
この経費はいわゆるキャッシュアウトのないものとして、節税効果だけを受けられるオイシイものです。
私は使用時間比率で家事按分していますが、インターネット料金の70%をFX経費として計上しています。
私の場合ですがインターネット料金の節税効果は月あたり約800円です。
ということで、自宅PCの場合は1,200円のコストに対して節税効果は800+240円になります。
利益が出る事が前提ですが実質負担は160円程度となります。ほぼタダ同然程度ですね。

■次にVPSサービスです。
VPS利用の月額利用料のすべてを経費計上できます。
節税効果は先の1,791円をベースとしたら月あたり358円です。
電気代と通信料も経費計上できますが、使用時間が非常に短くなるため普通の使い方をしたらほとんど計上できません。
ということで、VPSサービスの場合1,791円のコストに対して節税効果は358円です。
こちらの実質負担は1400円程度となります。

■その差は?
節税効果分まで考慮に含めない場合コスト差は月当たり600円で、節税効果分を含めると1,200円となります。
経費もうまく使って節税効果までを含めて評価すると面白いかもしれません。

VPSサービスにリスクなし?

ここまでは自宅PCについて記載してきましたが、VPSサービスは万能なのでしょうか。
VPSサービスのリスクは、サービスそのものの品質が不明という点が挙げられます。
表面的なメリットはすぐに分かるところに記載していますが、サービスそのものの品質を裏付ける根拠のような情報はすぐには探せませんでした。
冗長構成や可用性といった点でどのような対応を取っているのか業者のみが知る世界ですし、
サーバーメンテナンスの頻度や時間などSLA(サービスレベル)がどうなっているのか、
本当はきちんと評価した方がいいです。
自分が使いたい時とVPSのサーバーメンテナンスが重なった時にサービス利用出来ないといったリスクなんかも欠点といえば欠点でしょうか。

まとめ

簡単にまとめますと、自宅PCではネットワーク安定性だけはコスト高になりVPSサービスが完全優位となります。
ネットワーク品質が非常に重要な自動売買システムを動かすにはVPSサービスを使いましょう。
具体的にはスキャル系EAで1秒を争うようなタイプのもので、建てるポジションに決済条件が入っておらずEAで決済するものです。
(指値・逆指値などの決済条件が予め入れるEAなら、PCから処理を命令できなくても許容できるかもしれません。)

それ以外に関しては妥協もしくは十分なレベルで要件を満たせます。
ネットワークの瞬断程度で影響しないようなEAであればコストを優先して自宅PCでも可能といっても差し支えないです。
コスト差は600円(もしくは節税効果含みで1,200円)なので自分の懐事情と相談して決めましょう。

MT4でEAを動かすときにVPSサービスでないとダメ・・・などと宣伝されますが、
杓子定規にそう決めつけるのではなく、自身が動かそうとしているEAの特徴を踏まえ判断するのが賢明です。

(補足)
スキャル系EAはVPSサービスを利用することをオススメしますが、その際にサービス品質が低いと意味がないため、きちんと高品質のVPSサービスを検討したいものです。
また、VPSサービスには取引量などの条件を満たすと無料で使えるものもあります。
スキャル系で取引が多いものであれば満たしやすいこともあるため、総合的にご判断ください。
尚、動かすMT4,EAの数によってはVPSサービスの最安プランではスペックが不足することもあるためご注意ください。

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